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執筆:ベトナム不動産ナビ編集部

ベトナム不動産投資が注目される理由|GDP7%超の成長市場を解説

ベトナム不動産の空撮
この記事を読んで分かること
  • Qなぜ今ベトナムの不動産が注目されているの?
    AGDP成長率7%超、人口1億人・平均年齢33歳の若い労働力、都市化率38%という3つの成長エンジンがあるためです。
  • Q外国人でもベトナムの不動産を買えるの?
    A2015年の法改正で購入可能になりました。ただし所有期間50年、1棟あたり30%までなどの制限があります。
  • Qベトナム不動産投資のメリット・リスクは?
    Aメリットは高い価格上昇期待と税制優位性。リスクは竣工遅延や為替変動などがあります。
  • Q他の東南アジア諸国と比べてどうなの?
    A利回りは控えめですが、経済成長率と価格上昇率はトップクラス。キャピタルゲイン重視の投資に適しています。
質問回答
なぜ今ベトナムの不動産が注目されているの?GDP成長率7%超、人口1億人・平均年齢33歳の若い労働力、都市化率38%という3つの成長エンジンがあるためです。
外国人でもベトナムの不動産を買えるの?2015年の法改正で購入可能になりました。ただし所有期間50年、1棟あたり30%までなどの制限があります。
ベトナム不動産投資のメリット・リスクは?メリットは高い価格上昇期待と税制優位性。リスクは竣工遅延や為替変動などがあります。
他の東南アジア諸国と比べてどうなの?利回りは控えめですが、経済成長率と価格上昇率はトップクラス。キャピタルゲイン重視の投資に適しています。

なぜ今ベトナムが注目されるのか?経済成長を支える3つの要因

ベトナムは近年、東南アジアの中でも特に高い経済成長を遂げており、世界中の投資家から注目を集めています。ベトナムが投資先として選ばれる理由は、単なる経済成長率の高さだけではありません。ベトナムには「経済成長」「人口構成」「都市化」という3つの成長エンジンが揃っており、中長期的な発展が期待できる点が大きな魅力です。

海外からの直接投資(FDI)は年々増加しており、製造業の拠点としてだけでなく、不動産市場への投資先としてもベトナムの存在感は高まっています。ベトナムの経済成長がなぜ注目されるのか、3つの要因を順番に見ていきましょう。

GDP成長率7%超を記録するベトナム経済の実力

ベトナムは2024年にGDP成長率7.09%を達成し、ASEAN諸国の中でもトップクラスの経済成長を記録しました。 2023年の成長率が5.05%だったことを考えると、わずか1年で2ポイント以上も成長率が加速したことになります。

世界銀行やオックスフォード・エコノミクスなどの主要な国際機関は、ベトナムの2025年のGDP成長率を6.5〜6.6%と予測しています。世界経済が不透明な中でも、ベトナム経済は安定した成長軌道を維持すると見られており、投資家からの信頼は厚いといえます。

ベトナム経済の成長を支えているのは、製造業とIT産業の発展です。中国に代わる製造拠点として「チャイナ・プラスワン」の受け皿となり、多くの外資系企業がベトナムに生産拠点を移しています。2024年のFDI実行額は254億ドルに達し、前年比9.4%増加しました。 海外からの投資マネーがベトナムに流入し続けていることは、ベトナム経済への信頼の証といえるでしょう。

経済成長は不動産市場にも好影響を与えます。企業の進出に伴いオフィス需要が高まり、従業員の住宅需要も増加するため、ベトナムの不動産市場は経済成長と連動して拡大を続けています。

人口1億人超・平均年齢33歳の若い労働力

ベトナムの人口は1億人を突破し、世界で16番目に人口の多い国となりました。 ベトナムの最大の強みは、人口規模だけでなく「若さ」にあります。平均年齢は33歳と若く、生産年齢人口(15〜64歳)が全体の68%を占める「人口ボーナス期」の真っただ中にあります。

人口ボーナス期とは、働き手の割合が高く、経済成長が加速しやすい時期を指します。日本が高度経済成長を遂げた1960〜70年代も人口ボーナス期にありました。ベトナムは今まさに、かつての日本と同じような成長フェーズにあるのです。

若い労働力が豊富なベトナムでは、以下のような好循環が生まれています。

  • 労働力の供給が豊富で、製造業やサービス業が発展しやすい
  • 若い世代の所得が増加し、消費市場が拡大する
  • 住宅購入層が増え、不動産需要が高まる

ベトナムでは若い世代が経済活動の中心を担っており、所得水準の向上とともに住宅購入意欲も高まっています。ベトナムの不動産市場にとって、若い人口構成は長期的な需要を支える重要な基盤となっています。

都市化率38%が示す今後の成長余地

ベトナムの都市化率は現在38%であり、タイ(62%)やマレーシア(77%)などの周辺国と比較するとまだ低い水準にあります。 都市化率が低いということは、今後さらに多くの人口が都市部へ移動する余地があることを意味します。

都市化が進むと、都市部での住宅需要は必然的に高まります。農村部から都市部へ人口が流入すると、住宅・オフィス・商業施設などの不動産需要が増加するためです。ベトナムではホーチミンやハノイといった大都市への人口集中が続いており、都市部の不動産市場は今後も成長が見込まれます。

他のASEAN諸国の都市化率と比較すると、ベトナムの成長余地の大きさがわかります。

国名都市化率
シンガポール100%
マレーシア77%
タイ62%
インドネシア59%
フィリピン55%
ベトナム38%

出典:World Bank「Urban population (% of total population)」2024年データ

ベトナムの都市化率はASEAN主要国の中でも最も低い水準にありますが、都市化率の低さはむしろ今後の成長ポテンシャルの高さを示しています。 都市化の進展に伴い、ホーチミンやハノイなどの主要都市では住宅需要の増加が続くと予測されており、ベトナムの不動産市場は中長期的な成長が期待できます。

ベトナム不動産市場の価格推移と最新動向

ベトナムの経済成長を背景に、ベトナムの不動産市場も力強い成長を続けています。特にホーチミンとハノイの2大都市では、マンション価格の上昇が顕著です。ベトナムの不動産価格は過去5年間で大きく上昇しており、投資先としての魅力が高まっています。

ベトナムの不動産市場の現状を理解するために、価格推移、物件供給と吸収率、海外からの投資動向という3つの観点から最新データを見ていきましょう。

ホーチミン・ハノイの不動産価格はどう変化した?

ベトナムの2大都市であるホーチミンとハノイでは、不動産価格の上昇傾向が続いています。特にハノイでは2024年第3四半期にマンション価格が前年比22.3%上昇し、1㎡あたり約2,547ドル(約40万円)に達しました。 ハノイの不動産市場では同四半期に6,840戸のマンションが販売され、前年同期比で226%増という大幅な伸びを記録しています。なお、調査会社によっては一次市場で28%、中古市場では41%の上昇と、さらに高い上昇率を報告しているケースもあります。

一方、ホーチミンの不動産価格は2019年から2024年にかけて約59%上昇しました。2024年のホーチミンのマンション平均価格は1㎡あたり約3,560ドル(約56万円)となっており、ハノイよりも高い水準にあります。 ホーチミンはベトナム経済の中心地であり、外資系企業の集積や富裕層の増加を背景に、高級物件を中心に価格が上昇しています。

ホーチミン市内でも地区によって価格差があります。ホーチミン市内の地区別マンション価格を比較すると以下のとおりです。

地区1㎡あたり価格(米ドル)日本円換算(概算)
1区(最高級エリア)約5,000〜7,000ドル約79〜110万円
2区(タオディエン・トゥーティエム)約4,500〜6,500ドル約71〜103万円
7区(フーミーフン)約3,000〜4,500ドル約47〜71万円
トゥドゥック市約2,500〜4,000ドル約40〜63万円
郊外(ビンタン、ビンチャン等)約1,500〜2,000ドル約24〜32万円

ホーチミン1区は最高級エリアとして知られ、1㎡あたり約5,000〜7,000ドル(約79〜110万円)と最も高い価格帯となっています。 最高級物件では1㎡あたり15,000ドルを超えるケースもあります。一方で、郊外エリアでは1㎡あたり1,500〜2,000ドル程度と、1区の3分の1以下の価格で物件を購入できます。投資目的や予算に応じて、ベトナム国内でもさまざまな価格帯の物件を選べる点は、海外投資家にとって魅力的なポイントです。

2024-2025年の物件供給と吸収率の動向

ベトナムの不動産市場では、物件の供給だけでなく需要も旺盛です。2024年のベトナム不動産市場全体では47,000件以上の取引があり、吸収率(販売された物件の割合)は72%に達しました。 特にハノイでは2024年に吸収率70%を記録し、新規プロジェクトへの需要の高さを示しています。吸収率が高いということは、供給される物件に対して購入希望者が多く、需要が供給を上回っている状態を示しています。

ベトナム建設省の報告によると、2024年にはマンション価格が前年比で20〜30%上昇しました。価格上昇の背景には、旺盛な需要に対して供給が追いついていない状況があります。特にホーチミンやハノイの都市部では、土地の確保が難しくなっており、新規物件の供給が限られています。

2025年の物件供給は大幅に増加しており、ハノイでは上半期だけで21,000戸以上の新規物件が販売承認を受けています。 2025年通年ではハノイ・ホーチミン両市場合わせて約40,000戸の新規供給が見込まれています。ただし、新規供給の多くは高級(ハイエンド)セグメントに集中しており、ハノイでは新規物件の平均価格が1㎡あたり7,500万〜8,200万ベトナムドン(約45〜50万円)に達しています。

先行きについては上昇基調の継続を見込む予測もありますが、価格は市場環境・供給量・為替・法規制によって変動し、将来の値上がりを保証するものではありません。 ただし、高級物件への供給偏重により、中間層向けの手頃な価格の物件が不足している点は、ベトナム不動産市場の課題として指摘されています。

海外からの投資マネーはどこから流入している?

ベトナムの不動産市場には、世界各国から投資マネーが流入しています。ベトナムの不動産に投資する外国人投資家の出身国としては、シンガポール、韓国、中国、日本などが上位を占めています。 特にシンガポールと韓国からの投資は活発で、ホーチミンやハノイの高級マンション市場では、外国人投資家による購入が増加しています。

日本からベトナムへの投資も拡大を続けています。日本企業によるベトナムへの直接投資(FDI)累計額は740億ドルを超えており、日本はベトナムにとって最大級の投資国の一つとなっています。製造業を中心に多くの日系企業がベトナムに進出しており、日本人駐在員の増加に伴い、賃貸需要も高まっています。

ベトナムが海外投資家から選ばれる理由は以下のとおりです。

  • 経済成長率の高さ:GDP成長率7%超という高い経済成長が不動産価格の上昇を支えている
  • 人口増加と都市化:中長期的な住宅需要の増加が見込まれる
  • 相対的な割安感:シンガポールや香港と比較して不動産価格が低く、投資しやすい
  • 法整備の進展:2015年の法改正で外国人の不動産購入が解禁され、投資環境が整った

ベトナムは東南アジアの中でも特に外国人投資家に開かれた市場となっており、2024年の法改正によって投資環境はさらに改善されています。ベトナムの不動産市場は、経済成長と海外からの投資マネー流入という2つの追い風を受けて、今後も拡大が見込まれます。

日本人投資家にとっても、ベトナムは地理的に近く、時差も2時間と小さいため、現地視察や物件管理がしやすい点がメリットです。日系の不動産仲介会社やディベロッパーもベトナムで事業を展開しており、日本語でのサポートを受けながらベトナム不動産投資を始められる環境が整っています。

外国人がベトナムで不動産を購入するための条件とは?

ベトナムの不動産市場に興味を持った日本人投資家が最初に気になるのは、「そもそも外国人がベトナムで不動産を購入できるのか」という点ではないでしょうか。結論からいえば、外国人でもベトナム国内の不動産を購入することは可能です。 ただし、いくつかの制限や条件があるため、投資を検討する前に規制内容を正しく理解しておくことが重要です。

ベトナムの不動産購入に関する規制は、2015年と2024年の法改正によって大きく変化しました。外国人がベトナムで不動産を購入するための条件と、知っておくべき規制ポイントを詳しく解説します。

2015年住宅法改正で外国人の不動産購入が解禁

2015年の住宅法改正により、外国人でもベトナム国内のコンドミニアム(マンション)や住宅を購入できるようになりました。 2015年以前は、外国人がベトナムで不動産を購入することは原則として認められておらず、投資目的での不動産取得は非常に困難でした。

2015年の法改正は、ベトナム不動産市場にとって大きな転換点となりました。法改正の主な内容は以下のとおりです。

  • 外国人個人によるコンドミニアム・住宅の購入が解禁された
  • 外国企業によるベトナム国内での不動産取得が可能になった
  • 購入した物件を賃貸に出して家賃収入を得ることが認められた

2015年の法改正以降、シンガポール、韓国、中国、日本などからの海外投資家がベトナム不動産市場に参入するようになりました。外国人による不動産購入の解禁は、ベトナム不動産市場の成長を加速させる大きな要因となっています。

所有期間・戸数制限など知っておくべき規制ポイント

外国人がベトナムで不動産を購入する際には、いくつかの制限があります。ベトナムでの不動産投資を検討する前に、所有期間や戸数制限などの規制ポイントを必ず確認しておきましょう。

外国人がベトナムで不動産を購入する際の主な規制は以下のとおりです。

規制項目内容
所有期間50年間(1回に限り50年の延長が可能、最長100年)
コンドミニアムの所有制限1棟あたり総戸数の30%まで
戸建て住宅の所有制限1街区あたり250戸まで
土地の所有外国人は土地の所有権を取得できない
中古物件の購入原則として購入不可(外国人所有の物件は購入可能)

外国人がベトナムで不動産を所有できる期間は原則50年間に限定されています。 ただし、1回に限り50年間の延長が認められているため、最長で100年間にわたってベトナムの不動産を所有することが可能です。50年という所有期間は、投資用不動産として十分な期間といえるでしょう。

コンドミニアムの場合、外国人が所有できる戸数は1棟あたり総戸数の30%までに制限されています。人気の物件では外国人の所有枠がすでに埋まっているケースもあるため、物件を購入する際には外国人所有枠の残り状況を確認することが重要です。

特に注意が必要なのは、外国人はベトナム国内の土地を所有できないという点です。 コンドミニアムを購入する場合は建物部分のみの所有となり、土地の所有権は取得できません。戸建て住宅を購入する場合も同様で、土地については使用権のみが認められます。

また、外国人は原則として中古物件を購入することができません。ただし、すでに外国人が所有している中古物件であれば購入が可能です。外国人から中古物件を購入する場合は、前の所有者の経過期間を引き継ぐことになるため、残りの所有期間を確認してから購入を検討しましょう。

個人名義と法人名義で購入する場合の違いも把握しておく必要があります。 個人名義で購入した物件は賃貸に出して家賃収入を得ることができますが、ベトナム国内の法人名義で購入した物件は用途が社宅用に限定されます。投資目的でベトナムの不動産を購入する場合は、個人名義で購入するのが一般的です。

2024年法改正で投資環境がさらに改善

2024年には土地法と住宅法の改正が行われ、ベトナムの不動産投資環境はさらに改善されました。 2024年の法改正は、市場の透明性向上と投資家保護を目的としており、外国人投資家にとってもポジティブな変化といえます。

2024年の法改正では、政府が定める土地価格が市場価格に近づくよう調整され、不動産開発プロジェクトの承認手続きが簡素化されました。また、外国人による不動産購入の手続きや所有制限に関するルールがより明確になりました。

2015年の法改正で外国人の不動産購入が解禁され、2024年の法改正で投資環境がさらに整備されたことにより、ベトナムは外国人投資家にとってより魅力的な不動産市場となっています。法規制は今後も変更される可能性があるため、ベトナムの不動産投資を検討する際には、最新の法規制情報を確認することをおすすめします。

ベトナム不動産投資のメリット・リスクを徹底比較

ベトナムの不動産投資を検討する際には、メリットだけでなくリスクも十分に理解しておくことが重要です。ベトナムの不動産市場には魅力的な投資機会がある一方で、海外投資特有のリスクも存在します。 投資判断を誤らないために、メリットとリスクの両面を公平に把握しておきましょう。

ベトナムの不動産投資におけるメリット・リスクと、東南アジア他国との比較を通じて、ベトナムの不動産の優位性を客観的に解説します。

投資メリット:価格上昇・税金の優位性

ベトナムの不動産投資には、価格上昇期待、税金面での優位性など、複数のメリットがあります。ベトナムの不動産の利回りは平均3〜4%程度とされ、日本(東京:約3.6%)やシンガポール(約3.4%)と同水準です。 一方で、タイ(バンコク:約6%)やフィリピン(マニラ:約5.8%)と比較すると低めとなっています(いずれも市場データに基づく目安であり、将来の利回りを保証するものではありません)。ただし、ベトナムは不動産価格の上昇率が高いため、利回り(インカムゲイン)よりもキャピタルゲイン(売却益)を重視する投資家に適した市場といえます。

ベトナムの不動産投資における主なメリットは以下のとおりです。

メリット内容
価格上昇期待2024年に20〜30%上昇(実績。今後の価格を保証するものではありません)
税金の優位性賃料所得税5%(日本は累進課税で5〜45%)
旺盛な賃貸需要外国人駐在員の増加により賃貸需要が高い
キャピタルゲイン重視利回りは控えめだが、価格上昇による売却益が期待できる

税金面での優位性もベトナムの不動産投資の大きなメリットです。 ベトナムでは賃料収入に対する所得税が5%と一律で定められており、日本の累進課税(5〜45%)と比較すると大幅に低い税率となっています。日本では家賃収入を含めた合計事業収入が195万円を超えると税率10%が課せられますが、ベトナムでは収入額に関わらず5%のままです。税金が安いことで、表面利回りと実質利回りのギャップが小さくなり、手元に残る収益が増えるメリットがあります。

外国人駐在員による賃貸需要が旺盛な点も見逃せません。ベトナムには約30万人の外国人が在住しており、その多くがホーチミンやハノイなどの都市部に集中しています。外国人駐在員は会社から家賃補助が出ることが多く、比較的高い家賃でも支払い能力があります。入居者層をどう想定するかは、家賃滞納リスクや空室リスクを見極めるうえで重要な確認事項です。

投資リスク:竣工遅延・為替変動・送金手続き

ベトナムの不動産投資にはメリットがある一方で、注意すべきリスクも存在します。海外の不動産投資には日本国内の投資とは異なるリスクがあるため、投資を始める前にリスクを十分に理解しておくことが重要です。

ベトナムの不動産投資における主なリスクは以下のとおりです。

リスク内容
竣工リスクデベロッパーの資金力不足によりプロジェクトが中断される可能性
為替変動リスク円とベトナムドンの為替変動により、為替差損が発生する可能性
海外送金手続きの複雑さベトナムから日本への送金には多くの書類が必要で手続きが煩雑
レッドノート取得の難しさ外国人への権利書発行事例が少なく、取得が困難な場合がある
建物の耐久性日本と比較すると建物の構造・耐久性が劣るケースがある

特に注意が必要なのは竣工リスクです。 ベトナムのデベロッパーの中には、1つのプロジェクトに対して総工費の10〜20%程度しか自己資金を投入せず、残りを金融機関からの融資や物件の売上で賄うケースがあります。工事中にトラブルが発生したり、物件の売れ行きが悪かったりすると、プロジェクトが中断されてしまうリスクがあります。

為替変動リスクも無視できません。ベトナムの不動産を購入する際はベトナムドンで支払いを行いますが、円安ドン高の時に購入すると、将来的に円高になった際に為替差損が発生する可能性があります。

海外送金手続きの複雑さもベトナム不動産投資の課題の一つです。 ベトナムから日本へ資金を送金する際には、納税証明書などの多くの書類が必要となり、手続きが煩雑です。

東南アジア他国との比較でベトナムの不動産の優位性は?

ベトナムの不動産投資を検討する際には、タイやマレーシア、フィリピンなど東南アジアの他国と比較することで、ベトナムの不動産の優位性を客観的に評価できます。ベトナムは東南アジア諸国の中でも経済成長率が高く、都市化による成長余地が大きい点が最大の優位性です。

東南アジア主要国の不動産市場を比較すると以下のとおりです。

国名主要都市の不動産価格(㎡あたり)利回りGDP成長率(2024年)外国人購入
ベトナム2,500〜3,600ドル約3〜4%7.09%可(制限あり)
タイ3,500〜5,000ドル約6%2.8%可(制限あり)
マレーシア2,500〜4,000ドル約5%5.1%可(最低価格制限あり)
フィリピン2,000〜3,500ドル約5〜6%5.9%可(土地所有不可)
シンガポール15,000〜25,000ドル約3%2.7%可(追加印紙税あり)

※ベトナムの価格はハノイ約2,500〜3,000ドル、ホーチミン約3,500〜4,000ドルと都市により差があります。中心部や高級物件は上記より高額になります。

ベトナムの最大の優位性は、高い経済成長率です。 GDP成長率7.09%という数字は東南アジア諸国の中でもトップクラスであり、タイ(2.8%)やシンガポール(2.7%)を大きく上回っています。経済成長率は不動産価格の動向を判断する材料のひとつですが、実際の価格は市場環境・流動性・為替・法規制によって変動します。

利回りの面では、タイ(約6%)やフィリピン(約5〜6%)がベトナム(約3〜4%)を上回っています。ベトナムの利回りは日本やシンガポールと同水準であり、東南アジアの中では控えめな水準です(いずれも市場データに基づく目安であり、将来の利回りを保証するものではありません)。しかし、ベトナムは不動産価格の上昇率が高いため、賃料収入(インカムゲイン)よりも売却益(キャピタルゲイン)を重視する投資家に適した市場といえます。

都市化率の観点からも、ベトナムの成長余地は大きいといえます。ベトナムの都市化率は38%であり、タイ(62%)やマレーシア(77%)と比較すると低い水準にあります。 都市化率が低いということは、今後も都市部への人口流入が続き、住宅需要が増加する余地があることを意味します。

「経済成長率の高さ」「都市化による成長余地」「価格上昇ポテンシャル」という観点では、ベトナムは東南アジアのなかでも検討しやすい市場のひとつといえます。 ただし、利回りは他の東南アジア諸国と比較して控えめであるため、短期的な賃料収入よりも中長期的な価格上昇を期待する投資スタンスが適しています。竣工リスクや為替リスクなどの注意点もあるため、リスクを十分に理解した上で投資判断を行うことが重要です。

ベトナム不動産投資を始める前に押さえておきたいポイント

ベトナムの不動産市場の魅力とリスクを理解したら、次は実際に投資を始めるための準備です。ベトナムの不動産投資で成功するためには、信頼できるディベロッパーの見極めと市場動向の把握が欠かせません。 初めてベトナムの不動産投資に挑戦する方に向けて、押さえておきたい実践的なポイントを解説します。

信頼できるディベロッパーの選び方

ベトナムの不動産投資で最も注意すべきリスクの一つが竣工リスクです。信頼できるディベロッパーを選ぶことは、竣工リスクを回避し、安全に投資を行うための最重要ポイントといえます。

ディベロッパーを選ぶ際にチェックすべきポイントは以下のとおりです。

チェック項目確認内容
上場状況海外(シンガポール、香港など)で上場しているか
日系企業の参画日系の不動産会社やゼネコンがプロジェクトに参画しているか
過去の実績過去に手がけたプロジェクトが予定通り竣工しているか
財務状況自己資金比率が十分にあり、資金繰りに問題がないか
売買契約書の内容使用する資材や仕様が契約書に明記されているか

海外で上場しているディベロッパーや、日系企業が参画しているプロジェクトは、竣工リスクを見極めるうえでの判断材料になります。 上場企業は財務情報が公開されており、経営状況を確認しやすいメリットがあります。また、日系企業が参画しているプロジェクトであれば、日本の品質基準に近い建物が期待できます。

過去の実績確認も重要なチェックポイントです。ディベロッパーがこれまでに手がけたプロジェクトが予定通りに竣工しているか、入居者からの評判はどうかなどを調査しましょう。

売買契約書の内容確認も忘れてはいけません。 ベトナムの建物は日本ほど品質が均一ではなく、ディベロッパーやゼネコンによって建物の構造・耐久性に差があります。売買契約書には物件の建設に使用する資材が記載されるため、契約前に資材の品質や仕様を確認しておくことが、リスクを抑える材料になります。

信頼できるディベロッパーを見つけるためには、日系の不動産仲介会社を活用するのも有効な方法です。日系の仲介会社はベトナム現地のディベロッパー情報に精通しており、日本語でのサポートを受けながら安全な物件を選ぶことができます。

今後の市場展望と投資判断のポイント

ベトナムの不動産市場については、2025〜2026年にかけて上昇基調の継続を見込む予測もあります。ただし予測は前提条件によって変わり、将来の価格を保証するものではありません。

ベトナムの不動産投資を検討するにあたり確認すべき項目を整理すると以下のようになります。

  • 投資目的の明確化:キャピタルゲイン(売却益)狙いか、インカムゲイン(賃料収入)狙いかを明確にする
  • 予算の設定:物件価格だけでなく、諸費用(税金、手数料、管理費など)も含めた総予算を把握する
  • ディベロッパーの調査:上場状況、過去の実績、日系企業の参画有無などを確認する
  • 法規制の確認:外国人の所有制限や所有期間など、最新の法規制を把握する
  • 出口戦略の策定:将来的な売却方法や売却先(外国人枠の制限を考慮)を事前に想定しておく

ベトナムの不動産投資は魅力的な機会がある一方で、海外投資特有のリスクも存在します。投資判断の精度を高めるためには、十分な情報収集と慎重な判断が欠かせません。 現地視察や日系仲介会社への相談など、実際に行動を起こしながら情報を集めることをおすすめします。

ベトナムの不動産市場は経済成長、人口増加、都市化という3つの成長エンジンに支えられており、中長期的な発展が期待できます。本記事で解説した内容を参考に、ベトナムの不動産投資を検討してみてはいかがでしょうか。

ご注意(免責)

  • 本記事はベトナム不動産に関する一般的な情報提供を目的とするもので、投資助言・税務助言ではなく、投資勧誘でもありません。
  • 記載の数値・見通し(想定利回り・価格・市場動向等)は目安であり、将来の収益や資産価値を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
  • 海外不動産には、為替変動、現地の法制度・税制の変更、市場・流動性、外国人所有の制限等のリスクが伴います。
  • 海外に所在する不動産の取引は、日本の宅地建物取引業法の適用対象外です。同法に基づく重要事項説明や、宅地建物取引業保証協会の弁済業務保証金制度による保護は及びません。
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